アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン

今さらですけど

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン

についての感想をまとめておきまーす。

全体的な印象としては5点満点で2点。不満なところが多く、燃えるところが少なかったですね。

まず冒頭のアクションシーン。アベンジャーズの面々がワンカット風の大立ち回りを見せるのですが、3Dでの観賞を前提にしているせいか、ワチャワチャして目まぐるしくてノイジー。カメラワークの良さをさっぱり感じられない。このディレクターセンスねえなと思いました。

そもそもが「誰と」「何のために」戦っているのかを提示しない段階で見せる戦いなので、戦いのための戦いに見えて気持ちがのらない。

後から見れば意味がある戦いだし、のちの展開へのフリでもあるわけですが、効果的だとは思えなかったです。

物語展開の動かし方も下手くそで強引

ウルトロンと呼ばれる人工知能搭載ロボット/サイボーグが自我を持って暴走し、大量コピーが全世界に氾濫してしまったので、それを止めるのが今作の主題。

トニー・スターク=アイアンマン)が推し進めていたプロジェクトじゃん自業自得じゃん、というツッコミはする気ない。

それよりもツッコむべきは、この「ロボット怖い/人工知能怖い」という感覚自体が数十年前から延々と語り続けられたテーマだから全然面白くない、って事。その部分を作り手も観客も認識すべき。そこが今作一番の落ち度なんですよ。

ターミネーター1作目の段階でそのテーマ語られてるわけだし、いまさら掘り返すべき勝機もない。キャプテンアメリカウィンターソルジャーのテーマの方がよっぽど現代的。これは退行であり逆行

前作で固い絆を誇ったアベンジャーズに亀裂を生じさせるため、新キャラクターのスカーレットウィッチ(とその兄クイックシルバー)を登場させているんですが、物語全体がこのキャラクター(兄妹)に頼りすぎなのが一番ダメなところ

スカーレットウィッチは人の心を操ることができる。このキャラが敵側の意思に則する形でハルクを暴走させたりする。アベンジャーズの同士討ちシーンを描きたいがために、こういう突如湧いて出たようなキャラを雑に使う。すごくくだらないです。テーマも展開もダメなんだからシナリオとしてダメ×ダメ。

そして肝心のアクションもいまいち。

アイアンマンのミサイルやホークアイの弓矢が百発百中なのはまだ理解できるんだけど、ソーのハンマーとキャプテンアメリカのシールドが命中率高すぎるのがどうしても納得できないんですよ!

ただ投げてるだけに見えるから、変化球のようにグイッと曲がって複数の敵を倒して、手元に戻ってくるという飛び道具としての異常な高性能っぷりに違和感を覚えてしまう。ハンマーやシールドを明後日の方向に投げてるだけで敵が勝手に倒れてくれる、そんな画を見せ続けられてもヒーローとしてのカッコ良さを強調することにならないっしょ。

連携プレイで敵を倒す場面もありますけど、ほとんど印象に残らず。アイディア不足が目につきました。なにしろ金をジャブジャブ使っての派手派手な空中戦だから、戦いの中で意思を感じる瞬間が少なくてつまらないんですよ。

結局、アベンジャーズ結成物語という第一作を越える興奮はこの作品には無い!

でも、なんだかんだ言って役者陣の魅力はそこそこ感じられるから☆1にはならない感じ。マーク・ラファロ(ハルク)とかロバート・ダウニーJr(アイアンマン)とかアーロン・テイラー=ジョンソン(クイックシルバー)とかね。

もはやアクション映画と言えるのかすら分からない、世界最大級のスーパーヒーロー映画ですけど、ここまで膨れ上がるとどうやって面白さを感じたら良いのか分からないレベル。それぞれのキャラクターを愛してもらうための工夫をもう一度練り直さない限り、次回作も低評価で終わりますよ。

こんな感じで、アベンジャーズ2作目のざっくり感想でした。