ホーンズ 容疑者と告白の角

ホーンズ 容疑者と告白の角、見ました。

http://horns-movie.jp/


ハリー・ポッターことダニエル・ラドクリフが主演。監督は『ハイテンション』のアレンサンドル・アジャ。

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恋人が何者かによって殺される。容疑が自分にかけられる。地元マスコミは主人公を殺人犯と決め付けて糾弾。そんな日々を送る中、突如主人公の額から2本の角が生えてくる!

その角には他人を馬鹿正直にする効果があり、周囲の人間は主人公の前で己の欲望をさらけ出す。怒り、性欲、性欲、性欲。

主人公は恋人を殺した真犯人を突き止めるため、角の効果を駆使していくが…

予告編を見たら「えっ、ミステリー映画だったの!?」と驚いたわけですよ。基本的にミステリーは好きなんで。

ところがこの映画、ミステリーとしてすっげーベタベタで意外性も展開のひねりもなくて…心底ガッカリ。

主人公が犯人かな。あるいは一番性格がよさげな奴が犯人かな。それくらいは普通予想するじゃないですか。結果的に後者だったんですね。

今どき「いいやつ」キャラなんて造形として不自然でしかないし、そいつを犯人にしたところで意外でもなんでもねえよ! 殺されたヒロインへの執着も、回想シーンでうっすらバレてるからネタフリとして下手だし落とし所としてもつまらないし。

真犯人のリーが角の効力に影響されなかったのは十字架(被害者の遺品)を首から下げていたからなんですけど、だったら前半で主人公と会った牧師が角に怯えていたのは何故だ?って話。致命的な矛盾なんですよ。

さらに、「角の効果によって正直になった人々」の描写がほとんどコメディ/ギャグ要素になっちゃってて、「主人公による復讐劇」と相性が最悪! ダニエル・ラドクリフが必死に怒りを表現してても、ダークな展開にそぐわない笑いが散発的に混じってるから雰囲気作れてない!

ギャグ多めのミステリ映画にしたいのかシリアスなダークファンタジーにしたいのかどっちつかずで、ミステリーとしても深みなし。これは自分に合うわけがない! どっちつかず感を「振り回される感じ」とか「予測不能」って評価する人もいるんでしょうけどね。。。

真犯人役の「いいやつ」リーは顔が地味すぎてゲンナリだし、主人公の兄役は『ザ・イースト』のアレクサンダー・スカルスガルドかと思ったら別人でした!ヒロインもどこかで見たなーと思って調べると『Killer Joe』とか『Dark Knight Rising』に出てた人だそうな。ピンとこない。

大オチもスベってたなあ。角だけで十分なのに炎に包まれたモノホンの悪魔になっちゃってんの。なのに真犯人への怒りの一撃とかはなくて、悪魔の意思を体現する蛇の大群によってぶっ殺される有り様。センス悪いわー! スカッとさせてくれよ。蛇がからんで動けなくなったところに主人公が…とかでいいじゃん。しょうもない。

アレクサンドル・アジャは『ハイテンション』のホラー描写だけでかなり信頼してる監督だけど評価を下方修正せざるを得ないかなあ。